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執筆者の写真kubodera1122

最終日、十津川温泉から熊野本宮大社

 熊野古道小辺路の旅も、十津川温泉から熊野本宮大社までの道のりを残すだけとなりました。

 十津川温泉の民宿は、昨年、中辺路を歩いた時にもお世話になった宿で、2度目の宿泊になります。熊野本宮大社に向かうのに、最後の1000メートルを超える峠「果無峠」の登山口に一番近い宿で、場所が良いのと、屋上の露天風呂が貸し切りになり、周りの山々や眼下の十津川を眺めながら、お風呂に入っていると大変気持ち良く、しかも、徒歩でここまでたどり着いた訳ですから、硫黄の匂いのする温泉が身に染みます。

 翌朝、朝ご飯を頂いて、熊野本宮大社に出発です。果無集落を過ぎて、果無峠を越えると、暫く、舗装道路が続き、再び、平岩口から古道に入ります。ここまで来れば、三軒茶屋跡、祓殿王子を過ぎて熊野本宮大社は、もうすぐです。和歌山県九度山町、慈尊院からの町石道から始まった旅も、もうすぐ終わるかと思うと「もう、終わってしまう」と、却って寂しく感じるので不思議です。

 熊野古道を歩いて、本宮大社に着くと、車やバスで来た時とは逆で、拝殿の裏から境内に入ります。

 世界遺産に登録されている熊野古道は「伊勢路」「中辺路」「小辺路」「大峯奥駆道」とありますが、全ての道は、この熊野本宮大社に通じています。

 本宮大社で「怪我なく、大きなトラブルも無く、無事に踏破できました。この間、晴天が続き有難うございました」とお礼を申し上げて、旧跡地の大斎原(おおゆのはら)も参拝しました。大斎原は明治22年の水害で社殿が流されるまでは、ここに熊野本宮大社の社殿が建っていた場所です。

 ここから、今日の宿泊地、湯の峯温泉まではバスが出ていますが、湯の峯温泉までの大日峠を越える古道を歩いても、約1時間位なので、バスに乗らず、歩いて湯の峯温泉に向かいました。

 今回の旅は、3日目が足の痛みのピークで、4日目からは痛みが軽減して、それ以降、調子が上がって、楽に歩けたので、何だか不思議でした。

 湯の峯温泉の民宿では、2日目に同宿になった、静岡県の山の会の5名の方と再び同宿となり、夕食の時は皆で達成感に浸りました。私も、頂いたお酒のせいもありますが、終始、笑みがこぼれました。

 そして、今回、特に感じたのは「自助と感謝は比例する」です。例えば、今回の旅が、全部、車やバスで移動して、温泉や料理など他人が提供してくれるサービスを楽しむ旅だったら、これ程の感謝と達成感は得られないばかりか「部屋が狭い、壁が薄い、お風呂が古い」などと不満の念を抱いたかもしれません。

 毎日20キロ近く、痛む足で山道を歩いて、宿に着けば、お風呂に入れて、温かいご飯が食べられて、清潔な布団で眠れて、朝ご飯まで用意してくれて、それはもう、感謝以外の何物でもありません。前にも書きましたが、go toが適応されようが、されまいが、もう、どうでも良いです。

 厳しい条件、環境でも「自分で何とかするんだ」と覚悟すれば、どれ程、周りに支えられているか、見えてくるのかも知れません。

 昨年の中辺路80キロ、今回の小辺路90キロと無事に踏破出来たので、来年は、いよいよ100キロの行程に挑戦しようかと思っています。今は、何事も流動的なので、先の事は分かりませんが、鍛錬は怠らない様にします。

 


左は、熊野本宮大社社殿。全ての熊野古道はここに通じます。右は旧社殿跡地、大斎原。写真の鳥居は日本一大きい鳥居だそうです。大斎原内は、撮影禁止でしたので、参道入口の鳥居の写真を載せておきます。


果無峠の石畳の古道。古道らしい雰囲気と歴史の厚みを感じないでしょうか?私、この様な道を歩くのが大好きです。


 





















果無峠から見た熊野川、この熊野川の少し下流に熊野本宮大社が鎮座しています。

写真を見ると、その時の楽しさが蘇って、笑顔になります。

 


 

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