昨年、黒部峡谷下の廊下に一緒に行ったバディから、今年はチベット高原のカイラス山の巡礼に行きませんか?と声を掛けてもらいました。結論から言うと、現地の旅行社に見積もりを取ってもらったのですが、費用が75万円と送られてきて、さすがに高過ぎて断念しました。
カイラス巡礼と言っても、殆ど方がご存じないと思います。カイラス山は中国チベット高原の西、インド、ネパールの国境近くの約6600メートルの霊峰でチベット仏教、ジャイナ教、ボン教、ヒンズー教の聖地とされていて、聖なる山のなので登ることは禁止されています。ですので、カイラス山の周りを回る巡礼道があり、全長52キロ、標高は約4700から5600メートル、通常2泊3日の巡礼道となります。
これ程の高所ですから、当然高度順応の必要があり、日程は11泊12日で高度順応しながら最後が巡礼道のトレッキングとなっています。
私自身もウェブで調べてみたのですが、円安で費用がかさむせいか、日本の秘境を扱っている旅行社は企画がなく、バディが現地中国の旅行社に見積もってくれました。チベットは外国人が個人旅行をすることが出来ず、必ず入境許可書が必要で基本ガイドを付けないといけません。このあたりの費用が値段を押し上げてる一因でもあるのでしょう。
それでも、正直50万位なら行くつもりでいました。元々、熊野古道などの巡礼道を歩くのが好きですし、登山も楽しいですし。日本でしたら3000メートル位なら平地とそれ程変わらなく行動できる私が、5600メートルではどうなるかを試してみたい気持ちもあります。それ次第で今後の高所登山の可能性も見えてきますし。巡礼道ですから僧院や行き倒れになった人達の為の鳥葬場などもあり、異文化も見てみたいです。晴れた日にはヒマラヤを代表する7000から8000メートル級の名峰を眺めることが出来るとなれば行きたくなるのが人情です。
ただ、秘境ですから旅行社の案内にも「巡礼道では快適な宿泊、美味しい食事は期待できません」と但し書きが出てきます。標高4700から5600メートルで52キロ、トレッキング、当然苦しいでしょう。高山病の怖れもあります。そんなところで美味しい食事もないでしょう。おそらくシャワーもあるかどうか。そして、このお値段。常識的な人なら行かないでしょう。でも、ジム継続率0.4%のウエイトトレーニングが楽しい。登山も剱岳、下の廊下と上級者向けの登山が楽しいと思える私は行ってみたいですし、バディも下の廊下に一緒に行って、私の体力や人となりを見て声を掛けて下さっているのですから、光栄なことです。こんな旅においそれと誘えないでしょう。
「円安が収まって、機が熟したらにしましょう」と今回は見送りましたが、総費用を頭数で割るので、人数が増えて3人なら50万円、4人なら38万位になるかもしれません。関心のある方は声をかけて下さい。機が熟したら声をかけます。
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